小売業界はただでさえ人手不足なのに、値札の差し替えに時間がかかってしまう。そのような悩みを解決してくれるツールが電子棚札です。
ここでは、電子棚札の基礎知識についてまとめました。特徴を知り、ぜひ導入を前向きに検討してみてください。
電子棚札とは、店舗で使用されている紙の値札をデジタル化したツールです。「ESL」と呼ばれることもありますが、それは英語名の「Electronic shelf label」の頭文字をとったもの。
電子棚札は、その目的から小売店を中心に導入されていました。近年では、製造業や物流業などでも使用されるようになり、在庫管理やピッキング作業を効率化できるツールとして、生産性向上に貢献しています。
電子棚札は、ネットワークを通じて基幹システムやPOSシステムといった上位システムと繋がっています。
わかりやすく説明すると、
という仕組みです。上位システムでデータを変更すれば、Wi-Fiや赤外線通信などを介して電子棚札の表示も一斉に変更されます。
POSや在庫などの上位システムで価格や商品情報が決まると、ESLサーバがデータを変換してアクセスポイントへ送り、各ラベルが受信して表示を更新します。更新時のみ電力を消費する電子ペーパーを採用することで、表示保持中は低消費電力で動作し、電池寿命を長く確保できます。通信は多数のラベルを一括制御でき、未達の場合は再送で補完する仕組みです。
さらにAESなどの暗号化や認証機能により、不正な書き換えを防ぎます。これらを理解しておくと、導入計画や費用検討を進める際に具体的な判断材料となります。
世界的にみると、ヨーロッパが市場をリードしており、2019年の市場規模は3億400万米ドル(※1)でした。
電子棚札・電子ペーパーにおける世界のシェアトップ企業の内の一つが、フランスに本社を置く「SES-imagotag(エスイーエス・イマゴタグ)(現:VusionGroup)」です。2023年4月6日に、アジア太平洋地域の拠点として、日本法人を設立したと発表しました(※2)。
世界における電子棚札の市場規模は、2019年で6億3,080万米ドル、2027年には28億5,760万米ドル(※)にまで拡大すると予測されています。予測期間中の年間成長率は、20.8%(※)の見込みです。
その要因として、業務効率化を望んでいる小売業が増えていること、消費者が簡単にスマホで価格比較できるようになったことなどが考えられます。 そのため、電子棚札市場は今後もニーズが高まり、成長していく市場だと言えるでしょう。
現場に電子棚札を導入するには、いくつかの段階を踏んで行う必要があります。まずは、導入プランをしっかりと考えることが重要なポイント。電子棚札のサイズはどれくらいか、クラウド型かオンプレミス型か、売場の商品すべてに電子棚札を設置するのか決められた場所のみ設置するのか、などを考慮して適切な電子棚札を選んでいきます。
次のページで導入する方法をチェックし、スムーズに電子棚札の運用を始めましょう。
電子棚札の導入を検討している場合、まず気になるのは予算だという企業も多いでしょう。導入するには、本体費用はもちろん、設置費用や工事費用、導入後も保守費用など、さまざまなコストがかかります。おおまかな金額を把握しておけば、自社の予算も考慮したうえで、無理なく導入できる電子棚札を選べるでしょう。
次のページでは、導入費用を抑えるコツも合わせて紹介していますので、自社に合った方法で最適な電子棚札を選んでください。
電子棚札を導入しても、破損しやすかったり環境が悪い場所では使えなかったりと、トラブルが起きないか心配している企業もあるかもしれません。耐用年数は一般的には5年と言われていますが、使用状況や環境によって差が生じます。機種によっては、高温や低温、高湿度といった環境でも問題なく使えるうえ、電池交換についても頻繁に行う必要がないものもあります。使用頻度などにもよりますが、値札の張替えの手間などを考えるとコストパフォーマンスが優れている製品だと言えるでしょう。
次のページでは、電子棚札の耐用年数や耐久性についてさらに深掘り。導入を検討している方はぜひご覧ください。
電子棚札と一口に言っても、その種類はさまざま。電子棚札には表示形式や通信方式、サイズや付帯機能など複数の切り口があり、活用シーンに合わせて選ばれます。表示形式では、数字などを固定的に出すセグメント型と、自由に描画できるグラフィック型に分けられます。電子ペーパーの色数もモノクロ、3色、4色と展開され、売場での訴求や注意喚起の方法に応じて選択されます。サイズは小型から大型まで幅広く、棚ピッチや視認距離に合わせた設置が可能です。さらに、NFCやLED点灯、ボタン操作、低温環境対応といった機能を備えたモデルもあり、通信方式も2.4GHz帯や国内920MHz帯、赤外線、Bluetooth LE(PAwR対応)などが代表的です。こうした特徴を知っておくと、耐用年数やメリットデメリットを比較検討する際にも役立ちます。
電子棚札の種類は、2色表示、3色表示、4色表示の大きく3種類が展開されています。種類によって使用する目的や、導入費用なども変わってくる点に注意しましょう。自社にとってベストな電子棚札を導入するには、解決したい課題や予算などの条件を十分に考慮して選ぶ必要があります。
次のページで、それぞれの電子棚札の特徴や使用用途を知り、自社に合ったものを選んでください。
電子棚札には、業務効率化を実現し、現場での作業負担を軽減できるなどのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットもあります。 電子棚札を導入するにあたってメリットはもちろん、デメリットもしっかり把握しておくことが重要です。デメリットを知っておけば、導入後に何らかの課題が生じても、適切な対処法を考えることができるでしょう。
次のページでは、電子棚札のメリットデメリットについて詳しく解説。導入後に後悔しないためにも、くまなくチェックしてください。
電子棚札は在庫管理システムと連携させることで、在庫を自動で表示させることができます。作業員が手作業でカウントしたり記入したりする必要がなくなるだけでなく、LED点灯機能がある電子棚札は対象となる棚を点灯させることでピッキング作業の効率化も実現できます。
電子棚札に表示されている商品名や価格などの情報は、本部で一括して更新や書き換えを行うことが可能です。素早い更新ができる点に加えてスタッフがひとつひとつ値札を差し替える必要がなくなることから、大幅に業務の効率をアップさせられます。
ダイナミックプライシングは、市場状況に応じて価格を変動させる戦略で、収益最大化や在庫管理の効率化に効果的です。AIやビッグデータを活用することでリアルタイムな価格設定が可能となり、競争力も高まります。ただし、価格変動の頻度やシステム導入コストには注意が必要です。
消費税が変わると商品の値札を全て変更しなければいけないため、時間・手間・コストがかかりますが、電子棚札を使えばシステムでの一括更新ができるため現場で時間や手間をかける必要がありません。実際に電子棚札で消費税変更時に対応した事例もありますので、ぜひ参考にしてください。
電子棚札にはさまざまな種類がありますので、導入時にはポイントを押さえておくことが大切です。ポイントのひとつとして、カラー別の選び方を解説。2色・3色・4色の電子棚札について、おすすめの使い方をまとめました。
ここでは、スーパーと家電量販店に電子棚札を導入した事例を紹介しています。導入事例を知ることで、自社に導入すればどのような効果があるのかを具体的にイメージできるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
ライフコーポレーションでは、紙POP・プライスカードの作成・入れ替え作業を開店前や開店後に行っているため、業務負担が大きくなっている点が課題でした。
電子棚札を導入した結果、紙POP・プライスカードの作成・入替作業の軽減や商品の賞味期限チェックの効率化を実現。適切なタイミングでの値引きや廃棄ができるようになったうえ、品出し作業もスムーズに行えるようになりました。
ビックカメラでは、店舗でプライスカードを出力し、決められたサイズに切って差し替えていました。1日に何度もプライスカードの差し替えが行われることが多く、差し替える作業に膨大な時間がかかり、接客業務が手薄となってしまい、本来の業務に注力できない点が課題でした。
電子棚札の導入を検討し、全棚札が安定して稼働することが確認できたので、すぐに導入。実証実験を行った結果、店舗業務の効率化において高い効果が確認できました。
電子棚札は、店舗で使用されている紙の値札をデジタル化したツールです。価格変更に対しスピーディに対応できるため、売場の作業負担を大幅に軽減できるでしょう。その特性から、小売業にとどまらず、物流業や製造業でもおおいに効率化に貢献しています。導入する際は、電子棚札の種類や導入費用なども十分に確認し、自社の課題を迅速に解決してくれるものを選びましょう。
このサイトでは、現場の課題を解決に導く電子棚札を提供している会社をまとめました。各社の電子棚札の特徴や機能をしっかりチェックしたうえで、自社に合ったものを選んでください。



※階数の多い大手家電量販店ビックカメラで、全店約50店舗(※)の電子棚札を稼働させた実績あり。参照元:CREiST公式HP(https://www.creist.co.jp/casestudy/biccamera/)2024年11月15日調査時点