電子棚札の導入によって、冷凍倉庫でのピッキング作業を効率化できます。
理由は、目視で商品を探す手間そのものを削減できるためです。物流倉庫の棚に電子棚札を設置すると、作業者が探している部品や商品の場所を示すためにLEDランプを点滅させたり、部品名・商品名・有効期限などの情報を画面に表示させたりできます。
これにより、作業スピードの向上とピッキングミスの防止を同時に実現します。低温で長時間の作業が負担になりやすい冷凍倉庫では、探索時間の短縮が作業者の負担軽減と省人化に直結します。
さらに、最新の在庫数量をリアルタイムで表示させれば、現場の作業員同士が正確に情報を共有できる環境も整います。
「冷凍倉庫の低温環境で電子棚札は壊れないのか」という不安は、低温対応モデルを選ぶことで解消できます。
冷凍庫内への設置に対応した専用モデルが提供されており、たとえば-25℃まで対応可能な冷凍(フリーザー)モデルなども存在します。これにより、冷凍ショーケース内への設置も可能です。
一般的な常温モデルを低温環境で使うと表示不良や動作不良のリスクがありますが、フリーザーモデルであれば低温環境でも安定して動作します。冷凍倉庫や冷凍ショーケースへの導入を検討する際は、まず対応温度帯を満たす専用モデルかどうかを確認するとよいでしょう。
参照元:BIPROGY株式会社(https://www.biprogy.com/solution/service/shelf-tag.html)
冷凍倉庫で電子棚札を安定して運用するうえで、最大の課題となるのが電波の問題です。
原因として、金属の棚や冷蔵・冷凍ケース、あるいは店舗の形などの影響によって電波が届きにくくなり、価格や情報の反映の遅れ、表示のばらつきが生じることが挙げられます。
また、取り扱う商品によって電波の影響の度合いは異なり、周囲が開けた場所よりも囲われた場所が電波は妨げられやすくなります。
特に冷凍倉庫では在庫が高く積み上げられることも多く、こうした障害物が通信を遮る要因になります。
電波が届きにくいエリアには、ゲートウェイ(基地局)の追加と配置の見直しが基本的な対策です。理由は、1台あたりのカバー範囲を踏まえて適切に配置することで、通信の死角をなくせるためです。
また、倉庫向けの導入方法としては、まず十分な台数のアクセスポイントを追加することが重要です。倉庫は広大なため、複数台を一定の間隔で設置しなければ全エリアに電波が行き渡りません。
さらに、天井以外の設置も検討しましょう。倉庫は天井が高く広大なため、電波が全体に行き渡るよう設置位置の工夫が必要です。天井から下方向へ、あるいは棚の端から通路に向けて電波を送るなど、死角が生まれにくい配置を検討しましょう。具体的な推奨高さは製品やレイアウトによって異なるため、メーカーの推奨仕様に従いましょう。
電子棚札のタグは、ゲートウェイ(基地局)との間を独自無線(Sub-GHz帯・2.4GHz独自方式・赤外線・BLEなど)で通信するのが一般的です。そのため、タグへの電波が届かない死角対策として確実なのは、Wi-Fi中継機ではなく ESLシステムのゲートウェイ(アクセスポイント)を追加・再配置することです。
一方、ゲートウェイ自体をネットワークに接続する回線がWi-Fiの場合は、無線LAN中継機(リピーター)で回線側のカバー範囲を補強できます。
中継機はWPSボタンで親機とのペアリングをワンプッシュで完了でき、親機の設定情報(SSIDと暗号キー)をそのまま引き継げるため、既存の子機側の再設定は不要です。大規模な配線工事を伴わずに導入できる点がメリットですが、あくまで補強するのは回線側であり、ゲートウェイとタグ間の通信を直接延ばすものではない点に注意しましょう。
導入コストを抑えたいなら、アンテナ位置の工夫も有力な選択肢です。低温対応の電子棚札とアンテナ位置の工夫により、大掛かりな配線工事を避けられるでしょう。
まずは既存設備で対応できる範囲を見極め、それでも不足する部分にのみ機器を追加するという順序で進めると、無駄なコストを抑えながら安定した通信環境の構築も可能となります。
冷凍倉庫への電子棚札導入を成功させるには、事前の確認が欠かせません。実地でテストすること、導入後に利用ができず大掛かりな追加工事を行う、といったリスクも避けられます。
まず確認したいのが、電子棚札と基地局の通信が確実に届き、素早く反映されるかどうかです。金属の棚や冷蔵・冷凍ケースなど、電波が弱くなりやすい場所を確認し、テスト用の棚札を設置してみて同時に更新を行います。
反映が遅い、または届かない箇所があれば、基地局を追加するか、あるいは配置の見直しで改善しましょう。加えて、通常稼働時・入出庫前・出荷ピーク時などさまざまな日時、時間帯で動作を確認し問題なく使用できるか確認しておくことも重要となります。
冷凍倉庫では扉の開閉や庫内温度の変化も影響し得るため、実環境での検証が特に大切です。
もう一つ押さえておきたいのが初期費用です。支払い面では、月額(サブスク)型のプランを選べば初期の資金負担を平準化でき、あわせてIT導入補助金などの公的支援を活用すれば導入コストそのものを軽減できます。
ただし補助金はリース契約が対象外となるなど、制度ごとに要件・対象経費が異なるため、事前に最新の公募要領を確認しましょう。冷凍倉庫の場合は低温対応モデルの選定も加わるため、費用対効果を見極めたうえで導入範囲を決めましょう。
電子棚札は、-25℃まで対応する低温対応(フリーザー)モデルを選べば冷凍倉庫でも活用でき、ピッキングの効率化・省人化に貢献します。
課題となる電波は、金属棚や冷凍ケース、商品や棚が障害物となって届きにくくなりますが、ゲートウェイ・基地局の追加やアンテナ位置の工夫などで対応することも可能です。
導入前には、まずテスト用棚札で通信を検証することをおすすめします。



※階数の多い大手家電量販店ビックカメラで、全店約50店舗(※)の電子棚札を稼働させた実績あり。参照元:CREiST公式HP(https://www.creist.co.jp/casestudy/biccamera/)2024年11月15日調査時点