このページでは、小売店などにおいて電子棚札を導入する際に「デジタル化・AI導入補助金」を活用するメリットや注意点をまとめています。
電子棚札は小売店の陳列棚などに設置する値札の表示をデジタル化して、金額変更を効率化したり価格表示のミスを予防したりできるシステムです。電子棚札を導入すれば紙の値札を使用する必要がなくなり、担当者の業務負担を軽減したり人件費を削減したりと様々なメリットを追求できる他、店舗を利用する顧客にとっても利便性が向上します。
反面、導入には店舗規模にもよりますが一般的に数百万単位の初期費用がかかるため、コスト面での課題があることも無視できません。
参照元:KDDI株式会社|電子棚札とは?仕組みやメリットデメリット、導入事例を解説(https://biz.kddi.com/content/column/smartwork/what-is-esl/)
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は、中小企業や小規模事業者などの労働生産性の向上を支援するため、デジタルシステムを活用した業務効率化やDX化の推進にかかる費用や、サイバーセキュリティ対策費、インボイス対応のためのITツール導入費といったコストの一部を補助する制度です。
デジタル化・AI導入補助金は年度ごとに予算や申請期限などが設定されており、補助対象となるソフトウェアやサービスに関しては事前に事務局が審査を行って、合格したものが公式HP上で公開(登録)されています。
小売店などの値札をデジタル化して業務効率を高められる電子棚札システムもデジタル化・AI導入補助金の対象となっており、導入費用に加えて相談対応のサポート費用やクラウドサービスの利用料といった費用についても補助対象に含まれることが特徴です。
デジタル化・AI導入補助金には「通常枠」や「インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)」、「セキュリティ対策推進枠」といった5つの申請枠が設定されており、一般的に電子棚札の導入支援に関しては「通常枠」を利用できます。
通常枠の補助率については基本的に「2分の1以内」となっており、一定要件を満たすことで最大「3分の2以内」に拡大することも可能です。
一方、効率化できる業務プロセスの数によって補助額の範囲や上限が定められており、具体的には以下のようになります。
なお、電子棚札のみを導入する場合の該当プロセスは「顧客対応・販売支援」と「供給・在庫・物流」の2つとなるため補助額の上限は150万円となります。
最大450万円の補助を受けるには電子棚札に加えてその他のITツールやシステムの導入が必要ですが、その分電子棚札以外の導入費用も別途発生するため、店舗に必要かどうか見極める必要があるでしょう。
参照元:デジタル化・AI導入補助金2026|通常枠(https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/)
引用元:デジタル化・AI導入補助金2026|事業スケジュール(https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/)
デジタル化・AI導入補助金の申請には事業目的を適正に理解した上で、以下のような手続きが必要となります。
前提として、手続きにはあらかじめGビズIDの取得やSECURITY ACTION宣言の実施が必要です。その上で、登録されているIT事業者やITツールを選択し、導入する対象を決定するといった流れです。
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)には、交付申請に対して審査上の加点項目が複数設定されており、これらの加点項目に該当する導入プランを構築することで、採択率の向上を目指すこともできます。
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)の加点項目の1つが「最低賃金に関する状況」であり、分かりやすく言えばツール導入と並行して
従業員の賃金をアップするケースなどが該当します。
なお、どの程度の賃上げ要件が設定されているかは、初めて申請を行う事業者と、過去にIT導入補助金の採択歴を有する事業者でそれぞれ分類されており、例えば初回申請者に関しては以下のような賃上げ要件が設定されていることも特徴です。
中小企業基盤整備機構が提供するWebサービス「省力化ナビ」へ必要な情報を登録し、自社の生産性向上に関する諸情報の診断や整理を行うことで、加点対象となることもポイントです。登録そのものは比較的短い時間で完了できるため、実際に費やす手間に対してメリットの大きい加点項目と考えることができるでしょう。
引用元:デジタル化・AI導入補助金2026|申請を行う前に必要な手続き(https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/measures/)
前提となる考え方として、デジタル化・AI導入補助金はより多くの中小企業等を支援することを目指しており、基本的に初回申請者が審査でも優先的に評価される仕組みになっています。言い換えれば、過去に申請を行って採択されていた事業者はその時点で減点対象です。
加えて、過去に採択・交付決定されたソフトウェアによる業務プロセスと、今回申請する業務プロセスが重複しているような場合、減点幅が拡大することも無視できません。なお、プロセスが完全に一致していると判断されればその時点で不採択になる可能性もあります。ただし、プロセス重複にもとづく追加減点は、2026年度の申請分については2024・2025年度の採択が対象となっており、2023年度以前の申請については対象外となります。
同一年度のデジタル化・AI導入補助金で、すでにインボイス枠の申請を行って採択済みとなっている場合、改めて通常枠に申請しても減点対象となるため注意が必要です。またインボイス枠で申請したITツールと、通常枠で申請するITツールが同一の場合、さらに追加の減点が生じることも重要です。
そのため、例えば通常枠とインボイス枠の両方で申請を検討するような場合、どちらを先に申請するか、同時申請のリスクや課題も踏まえて専門家へ相談して考えることが肝要となります。
参照元:デジタル化・AI導入補助金2026|デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)[※PDF](https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf)



※階数の多い大手家電量販店ビックカメラで、全店約50店舗(※)の電子棚札を稼働させた実績あり。参照元:CREiST公式HP(https://www.creist.co.jp/casestudy/biccamera/)2024年11月15日調査時点